不登校の6つのタイプとは?特徴や適切なサポート方法を解説

不登校のタイプには何があるの?

不登校になりやすい子の特徴はある?

自分の子どもに合ったサポート方法が知りたい。

などの悩み・疑問を抱える方はいませんか?

文部科学省は不登校のタイプを6つに分類しています。本記事では、不登校の子どものタイプ、タイプを知る上での注意点を解説します。

不登校の子どもをタイプ別に完全に分けられるわけではありませんが、不登校のタイプを知ることで、適切なサポート方法が見えることもあります。

不登校の子どもとの関わり方でお悩みの方はぜひ本記事を参考にしてください。

不登校の6つのタイプ【特徴・サポート方法】

不登校に悩む子どもは6つのタイプに分けられるといわれています。本記事では、文部科学省が分類した不登校の子どものタイプを紹介します。

文部科学省は不登校のタイプを以下の6つに分類しています。

・「学校生活上の影響」の型

・「あそび・非行」型

・「無気力」型

・「不安など情緒的混乱」の型

・「意図的な拒否」の型

・「複合」型

出典:http://www.yokkaichi.ed.jp/e-center/html/futoukou_tebiki/images/01-09.pdf

タイプ別に、適切なサポート方法は異なります。タイプの特徴、サポート方法を順に解説していきます。

「学校生活上の影響」の型

不登校のタイプとしてまずあげられるのは、学校での人間関係や、学業での問題があり登校が難しくなる「学校生活上の影響」の型です。

勉強についていけない、人間関係が上手くいかないといった場合、不登校になる子どもがいます。

発達障害を抱え、特性により学校に馴染めず不登校になる場合もこの型に当てはまります。

サポート方法

「学校生活上の影響」の型の場合、学校に行きたくない原因が明らかになっていることも多いので、根本の問題解決に向けてのアプローチが大切です。

普段から、子どもとの信頼関係を築くことに気を付けながら、日々の様子に目を向けるよう心がけてください。

落ち込んでいる時間が増えた、学校を嫌がりはじめたなどの初期段階で適切に対応することが重要です。

また、発達障害をもつ子どもや、発達障害をもっていることが疑われる場合は、病院を受診し医師の判断を求めましょう。

「あそび・非行」型

遊びたいからといった理由で学校を休む場合や、非行グループと仲がよく学校に行きたがらない場合は、「あそび・非行」型に分類されます。

小学生で「あそび・非行」型で不登校になるケースは少なく、中学生からこのタイプで不登校になる子どもが多いです。

初期段階では、欠席、遅刻、早退などを繰り返し、次第に学校にいかなくなり不登校になってしまいます。

サポート方法 

「あそび・非行」型のサポートとして重要なのは、学校や相談機関と連携してサポートをつづけるということです。

非行に走った子どもに対して、対応するのは難しく、親としても対応に困ることも多いです。

専門機関とも協力をしながら、ひとりで悩みすぎないようにしてくださいね。長期的に問題解決に取り組みましょう。

「無気力」型

「無気力」型とは、自分でも学校に行きたくない理由がよく分からない、なんとなく登校したくないといったケースです。

はっきりとした原因が分からないため、どのようにサポートすればいいのか悩まれる親御さんも多くいます。

サポート方法

「無気力」型のサポート方法としては、まずは家庭内での生活を精力的におこなえるようなサポートが求められます。

例えば、以下のように家庭内で生活するようにしましょう。

・家事の分担を決め、役割を与える

・日中に運動するなど、何か活動できるように声掛けサポートをする

・生活リズムをなるべく正す

また一般的に不登校の場合、「学校に行こう」などと声掛けをして登校刺激を与えない方が良いとされています。しかし、「無気力」型の場合、登校を促すことも時には必要だとされています。

子どもの様子をみながらサポートするようにしましょう。

「不安など情緒的混乱」の型

「不安など情緒的混乱」の型は、心理的なダメージを多く負っており、不安を抱えて登校できないケースです。

不安が大きい場合、体の不調を訴える場合もあります。特に、学校に行く前の朝の時間帯に、腹痛や頭痛、吐き気などの体調不良を訴えることが多いです。

不安からくる体調不良のみでなく、「起立性調節障害」などの病気が原因になっている場合もあります。

「不安など情緒的混乱」の型はさらに以下の4タイプに分けられます。

【分離不安】

母親から離れることに強い不安を感じ、学校に行けないケース。小学校低学年の子どもに多い。

【息切れ】

周囲の期待に応えるために頑張りすぎてしまったケース。漠然とした不安感を抱え、体調不良を訴えることがある。

【甘やかされ】

我慢したり、自分の要求を伝えたりすることが苦手な子ども。学校での集団生活がうまく送れない場合がある。

【生活基盤の不安定】

経済的な困窮や、家族仲の不和などから不安を感じ学校に行けなくなるケース。

サポート方法

「不安など情緒的混乱」の型の場合、子どもの状況に応じた対応をおこなうようにしましょう。

【分離不安の場合】

無理に引き離すことは控えましょう。母親との関係は安定させたまま、子どもの興味が外に向くような働きかけをしましょう。

【息切れの場合】

子どもが本来の自分を取り戻すことが重要です。

子どもがそのままの自分でも良いと思えるよう、信頼関係を作っていくように心がけましょう。

【甘やかされの場合】

自立心を育むことが重要です。自律できるよう、子どもひとりで何かをやり遂げる経験をさせてみましょう。

日常生活において子どもがひとりでできる部分はひとりでやらせるなど、子どもの自律心を養う働きかけをしましょう。

【生活基盤の不安定の場合】

家庭環境に問題や困りごとがある場合、専門機関に協力を仰いでください。

「意図的な拒否」の型

学校に行く意味を見出せず、登校を拒否する場合は、「意図的な拒否」の型に分類されます。

保護者からの影響で、登校を拒否するようになるパターンもあります。

サポート方法

自身に合った環境を見つけることも大切です。

学校が合わない場合、フリースクールの選択肢もあります。

さまざまな選択肢があるので学校以外の選択肢も検討してみましょう。

「複合」型

「複合」型は、不登校になった原因がいくつかあり、どの原因によって不登校になっているかが分からないケースです。

これまで説明したタイプがいくつか合わさっていることもあります。

サポート方法

子どもの状況にあわせて、必要なサポートをおこなうなど、柔軟に対応しましょう。

原因がいくつかある場合、一番大きな原因にまず対処することも有効です。

不登校のタイプを知る上での注意点

不登校のタイプを知るうえで、1点注意すべき点があります。

サポート方法を考える際は、タイプに当てはめすぎないように注意してください。

不登校のタイプはすべての子どもに当てはまるものではありません。タイプはあくまでも目安としましょう。

さらに、同じタイプでも適切なサポート方法が子どもによって異なるケースもよくあります。

タイプにとらわれすぎず、子どもとじっくり向き合って本人に必要なサポートをおこなうことが大切です。

まとめ | 不登校のタイプを参考にしながら適切なサポートをしよう

本記事では、不登校の子どものタイプ、不登校のタイプを知る上での注意点を解説しました。

不登校の子どもは6タイプに分類されます。タイプを参考にすることで適切なサポート方法や、解決の糸口がみえることがあります。

しかし、子どもの状態や子ども自身が求めていることに注意を払い、タイプにとらわれすぎず柔軟な対応も大切です。タイプはあくまでも参考にしながらサポートしていきましょう。

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投稿者プロフィール

サキ
4年制大学の心理学科を卒業/大学では不登校に関する講義も受講/心理学的な視点をもとに、不登校の問題解決へのアプローチ方法を考えます。

引きこもり系運動のすすめ:山登りプロジェクト

不登校であったり、休みがちで、なかなか出かける機会がない、きっかけやタイミングがない、という小中高生のための山登りプロジェクトです。学校という機会がないと、なかなか運動する機会がないのが実情だと思います。運動する機会を作ることで、生活習慣を整えたり、気力が生まれるきっかけとなったらと思っています。また、心の悩みは人間関係から生まれてきます。集団で山登りをしますが、黙々と登っていただいてもかまいません。自然の中に身をおくことで、これまでと違った見方が生まれたらと思っています。