不登校の中学生に親の対応はどうする?メンタル・学力それぞれの対応を解説

「自分の子どもが中学生で不登校になってしまった。」

「不登校で悩む中学生の子どもへの接し方が分からない。」

「不登校問題に親としてどのようなサポートをすればいいのだろう。」

などとお悩みの方はいますか?

この記事では不登校の中学生への親の対応、中学生が不登校になる原因、利用できる相談機関などを解説します。

中学生で不登校に悩むお子さんをお持ちの方は、ぜひ本記事を参考にしてくださいね。

中学生で不登校になる4つの原因

まず、中学生で不登校になってしまう一般的な原因を4つ紹介します。

人間関係の問題

中学生で不登校になってしまう原因としてまずあげられるのは、人間関係の問題です。

小学校とは違い、中学校では以下のような人間関係の場面が発生します。

・体育祭等の行事が生徒主体で行われる(生徒同士のトラブルになりやすい)

・部活動がある(他学年の生徒との人間関係が濃くなり、悩みを抱えやすくなる)

・学校内で不良グループができることもある。

中学生の年齢は思春期あたります。他人との比較をしてしまったり、他人にどう思われているかを必要以上に気にしてしまったりすることが思春期の特徴です。しかし、学校生活では多くの人と関わらなければいけないため、思春期の子どもにとってはストレスを抱えやすい場所になります。

学校生活での人との関わりが複雑になり、思春期特有の心の変化もあるので、学校生活はストレスが大きくなりやすいのです。

勉強についていけない

勉強についていけないことから不登校になってしまう中学生の子もいます。

中学からは勉強科目が増え、学習する内容自体も難しくなりますよね。

小学校までは勉強をそれほどしなくてもテストで高得点が取れることもあったのではないでしょうか。しかし、中学校からはテスト対策をしっかりしないと成績を伸ばすことは難しくなります。

高校受験のために勉強する必要も出てくるので、勉強の負担は大きくなります。

体調不良

中学生の不登校では、体調不良で登校できなくなるケースがあります。

学校に行こうとすると気持ち悪くなったり、お腹が痛くなったりしてストレスが身体的な症状として出てしまうことがあるのです。

病院で検査しても体調不良の分からない場合、起立性調節障害、自律神経失調症などにかかっている可能性もあります。

本人も理由が分からない

不登校になる理由が子ども本人にも分からないこともあります。

人間関係に問題を抱えているわけでもなく、いじめにあっているわけでもない場合でも不登校になるケースがあるのです。

学校に行きたくない理由が特になくても「なんとなく学校が嫌だ…。」と感じ、学校に行けなくになってしまいます。

本人にも不登校の理由が分からないケースでは、いくつかの問題が絡んでいたり、隠れた部分にストレスの原因があったりします。

原因を特定し対処するためにも、子どもの様子を注意深く観察し、話をじっくり聞くことが大切です。

不登校の中学生への親の対応【メンタルへの対応】

ここからは、不登校の中学生に親ができるメンタルへの対応を紹介します。

中学生が不登校になる原因はさまざまありますが、やはり心の問題が絡んで不登校になるケースは多いです。

不登校で悩む子どもにとって、親からの適切なメンタルサポートは重要だといえます。

登校するように催促しない

登校するように催促はしないようにしてください。

不登校の中学生は、怠けているわけではなく「学校にきちんと通いたい。行かなければいけない。」と思っているけれど、学校に行けない状況であることがほとんどです。

不登校の中学生に登校のプレッシャーをかけることで、より精神が不安定になり、学校にたいする拒絶反応が大きくなってしまうこともあります。

とはいえ、「登校を急かしてはいけないと頭では分かってはいるけれど、焦る気持ちが大きくなり、登校を催促してしまう…。」といったケースもありますよね。

親自身の気持ちが整理できない場合は、親自身もスクールカウンセラーなどに悩み相談をしたりしてメンタルサポートを受けてみてください。

登校についてピリピリしやすい朝の時間は、子どもと少し距離を置くようにするのもおすすめです。

子どもの話を聞く

不登校の中学生へのサポートとして、子どもの話を聞くことも大切です。

「何を悩んでいるのか。」「つらいことは無いか」など子どもに寄り添って話を聞いてあげてください。

子どもの話を聞くときの注意点として、もし自分とは違う考えを話したりしても否定しないでください。話を否定せずに聞いてあげることで、子どもは本音を話してくれるようになります。

また、親からの肯定は子どもの精神を安定させ、安心感を抱かせられる効果もあります。

精神面の安定を図るためにも、子どもの話をじっくり聞いてあげてくださいね。

子どもの様子を注意して見る

不登校の中学生へのメンタルサポートとして、子どもの様子を注意してみることも行ってください。

学校に行く前に体調不良が表れている場合は、病院に行くなどの対処が必要です。「やる気が出ない」「怒りっぽくなった」などの問題を抱える場合、思春期うつにかかっていることもあります。

子どもの様子を注意深く観察し、体調やメンタルの不調がある場合病院に連れていくなど必要に応じた対応をとりましょう。

不登校の中学生への親の対応【学力・進学への対応】

つぎに、不登校の中学生への学力・進学への親の対応を紹介します。

長期間学校に行けていない場合、学力面も心配になってしまいますよね。高校受験を不安に思う方も多いでしょう。

学校に行かなくても勉強は進められます。適切な対策をとれば、不登校からの高校進学も可能です。

学力への対応

不登校の中学生が勉強を進める際には、塾や家庭教師の利用を検討してください。

塾や家庭教師を利用することで、学校に行かなくても勉強が効率的に進められます。

家から出られないという中学生はオンライン塾も検討してみてください。

オンライン塾では、家にいながら授業が受けられます。料金も対面の塾と比べると比較的安いので、費用面が心配な方にもおすすめです。

以下の記事では、家にいながら勉強できる方法も紹介しています。

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進学への対応

中学生で不登校になった場合、高校進学を不安に思う方も多いです。しかし、不登校からでも高校進学はできます

進学に関しては、学校や塾の先生に受験に関するアドバイスを求めましょう。

特に、塾や家庭教師の講師は受験のプロです。受験ノウハウにも詳しいので、塾や家庭教師を利用している場合、担当の講師に積極的に相談しましょう。

不登校からの高校受験について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。不登校からの高校受験方法について詳しく解説しています。

<strong>【不登校からの高校受験】学校選びのコツ・内申点や学力対策について解説します!</strong>

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不登校で悩む場合、通信制高校への進学も視野に入れてください。通信制高校では基本的に家で勉強を進められるので、不登校に悩む中学生でも進学・卒業できる可能性が高いです。

以下の記事では通信制高校について詳しく解説しています。

中学生で不登校でも大丈夫!通信制高校への進学がオススメの理由

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不登校の中学生とその親が利用できる相談機関

不登校の中学生と親が利用できるカウンセリング機関は以下の3つがあります。

・学校のスクールカウンセラー

・不登校専門の相談機関(公的機関・民間機関)

・心療内科、児童精神科

不登校で悩む場合におすすめの相談機関は、学校のスクールカウンセラーです。

スクールカウンセリングでは、担任の先生や学校とも協力したサポートを受けられるので、学校にスクールカウンセラーがいる場合は積極的に利用しましょう。スクールカウンセラーは親が利用することもできます。

親自身への対応・ケアも忘れずに

お子さんが不登校問題に悩む場合、親が自分自身をいたわることも大切です。

「この子はこのままでいいのだろうか。」「これからやっていけるのだろうか」などの不安から、親が感情をコントロールできなくなることもありますよね。やるべき対応を頭ではわかっていても、実際は難しい場面も出てきます。

子どもの心配に目がいき、自身の大きなストレスを無視してしまっていませんか。

親自身もスクールカウンセラーなどに悩みを相談するなどして、メンタルケアを忘れないようにしましょう。自分をあまり追い詰めすぎないようにしてくださいね。

まとめ

この記事では、不登校の中学生への親の対応、中学生が不登校になる原因、利用できる相談機関などを解説しました

不登校で悩む中学生には、メンタル面と学力面の両方でのサポートが必要になります。

また、不登校で悩む場合、解決を焦らないことも重要です。親自身へのメンタルサポートも忘れずにおこない、長期的な対策を心がけましょう。

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投稿者プロフィール

サキ
4年制大学の心理学科を卒業/大学では不登校に関する講義も受講/心理学的な視点をもとに、不登校の問題解決へのアプローチ方法を考えます。

引きこもり系運動のすすめ:山登りプロジェクト

不登校であったり、休みがちで、なかなか出かける機会がない、きっかけやタイミングがない、という小中高生のための山登りプロジェクトです。学校という機会がないと、なかなか運動する機会がないのが実情だと思います。運動する機会を作ることで、生活習慣を整えたり、気力が生まれるきっかけとなったらと思っています。また、心の悩みは人間関係から生まれてきます。集団で山登りをしますが、黙々と登っていただいてもかまいません。自然の中に身をおくことで、これまでと違った見方が生まれたらと思っています。