不登校が甘えではない理由。親ができる適切な対応方法は?


「不登校は甘えなの?」

「無理してでも学校には行かせるべき?」

「不登校で悩む子どもに、親としてどのように対応すればいいんだろう。」

といった悩みを抱えている方はいますか。


不登校は甘えではありません。


不登校の子どもは、学校に行きたくてもいけないほど、心が傷ついていることが多いです。


無理に学校に行かせるなど、対応を誤ってしまうと問題がさらに深刻化することもあります。そのため、不登校の問題には、適切に対応することが求められます。


不登校の子どもとの関わり方などでお悩みの方は、本記事を参考にしてください。

本記事を読むと分かること

  • 不登校が甘えではない理由
  • 親がとるべき4つの対応

不登校が甘えではない理由

不登校は甘えではありません。

不登校が甘えではない理由には、下記の2点があります。

【理由1】ストレスが限界になり、不登校になった場合が多いから

【理由2】子ども自身も不登校について悩み、罪悪感もあるから


【不登校が甘えではない理由1】ストレスが限界になり、不登校になる場合が多いから

ストレスが限界に達した結果、不登校になってしまいます。


「学校には行くべきだ。」と考えている子どもがほとんどです。

ですが、不登校の子どもは、心に大きなダメージを負っている状態で、学校に行けなくなっています。


もし、子どもが元気そうに見えても、本人すらストレスの大きさに気付いておらず、学校を休むという行動に出ている場合もあります。


甘えで学校を休んでいるわけではなく、かなりストレスを抱えた状態なのです。

【不登校が甘えではない理由2】子ども自身も不登校について悩み、罪悪感もあるから

不登校の子どもは、自身も不登校について悩み、罪悪感があることが多いです。


文部科学省は、以下のような調査結果を発表しています。

学校を休んでいる間の気持ちについての応え。(回答者:不登校の中学生)

「勉強の遅れに対する不安があった」 74.2パーセント

「進路・進学に対する不安があった」 69.2パーセント

「自分のことが嫌で仕方なかった」 58.4パーセント

(引用:https://www.mext.go.jp/content/20211006-mxt_jidou02-000018318-2.pdf)


また、「学校が不安で夜眠れない。」「学校にいけないことに対して罪悪感がある。」といった話もよく聞きます。


不登校に悩む児童は、不安を抱え、学校に行きたくてもいけない状況だといえます。

親がとるべき4つの対応【心のサポートと行動のサポート】

不登校の子どもに対して、親がするべきサポートは2種類あります。

子どもの気持ちを支える心のサポートと、現実的に問題解決へ向けて対処する行動のサポートです。

親がするべきサポートは下記の通りです。

心のサポート

  • 子どもの話を否定せず聞く
  • 無理に登校させない

行動のサポート

  • 進級や卒業について学校に相談する
  • 家庭教師やフリースクールで勉強の遅れが出ないようにする

心のサポート

はじめに、不登校の子どもにするべき心のサポートを解説します。


先ほどもお伝えした通り、不登校の子どもは心の問題を抱えている場合が多いです。


子どもの気持ちを安定させるためにも、心のサポートが1番重要です。


  • ポイント

心のサポートが1番大切

子どもの話を否定せず聞く

子どもの話は、否定せずに聞いてください。

自分の意見を言いたくなったりするかもしれませんが、否定せずに聞くことが大切です。


これは「傾聴」といって心理カウンセリングで行う方法でもあります。


意見や感情を否定されると、心を閉ざし、本当の気持ちや悩みを話さなくなってしまうのです。

子どもの言動否定しないことで、安心できる場所だと認識され、頼ってくれるようになります。


また、不登校であることを責めるのも、心を追い詰めてしまうのでやめましょう。

無理に登校させない

無理に登校させるのもやめましょう。

すぐにでも解決したいという気持ちは分かりますが、不登校の問題解決には時間が必要です。


無理やり学校に連れて行かされると、学校への苦手意識が強まったり、親への不信感が高まったりします。


かえって状況がひどくなるので、子どものペースに合わせて対応しましょう。

行動のサポート

つぎに、現実的に不登校を解決するための行動面のサポートを解説します。


「子どもの話を聞いてあげることはできているけど、その他にどのようなサポートをすればいいか分からない。」と悩んでいる方はいますか?


行動面でのサポートは、学校や専門機関を頼ることで、スムーズに進みます。


  • ポイント

行動面のサポートは、学校や専門機関を頼る


進級や卒業について学校に相談する

学校に進級や卒業、今後の進路について相談しましょう。


進級や卒業については、不登校における大きな悩みですよね。


特に進学に関する問題は、入試情報などにも詳しい学校に聞くことをおすすめします。


進級や、卒業後の進路を考えることで、具体的に何をするべきなのかが分かります。そして、将来への漠然とした不安を和らげることもできます。


学校との関わり方に関しては、こちらの記事も参考にしてください。

「元教師が答える!不登校になった時の学校とのかかわり方Q&A」


家庭教師やフリースクールで勉強の遅れが出ないようにする

家庭教師やフリースクールなどを利用して、勉強の遅れが出ないようにしましょう。


勉強が嫌いではないでけど、教室が苦手で学校に行けなくなっているお子さんもいます。


不登校に対応した家庭教師や、学校の代わりに通えるフリースクールがあります。学校以外の場所でも、学びの場を提供してあげることができます。


こちらの記事では、不登校の子向けのさまざまな学びの場について紹介しています。

「学校の勉強はどうする?不登校の子が学力を身につける方法」


まとめ

本記事では、不登校が甘えではない理由と、親がとるべき5つの対応を解説しました。


不登校は、精神的なダメージによって学校に行きたくてもいけない状況です。決して甘えではありません。


特にメンタル面の問題を抱えている場合が多いので、特に親からの情緒的なサポートが重要です。

勉強に関しても、学校だけでなく、家庭教師やフリースクールを利用するなど、さまざまな方法があります。


本記事を参考に、お子さんの性格や状態に合わせた対処法を行ってみてください。

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投稿者プロフィール

サキ
4年制大学の心理学科を卒業/大学では不登校に関する講義も受講/心理学的な視点をもとに、不登校の問題解決へのアプローチ方法を考えます。

引きこもり系運動のすすめ:山登りプロジェクト

不登校であったり、休みがちで、なかなか出かける機会がない、きっかけやタイミングがない、という小中高生のための山登りプロジェクトです。学校という機会がないと、なかなか運動する機会がないのが実情だと思います。運動する機会を作ることで、生活習慣を整えたり、気力が生まれるきっかけとなったらと思っています。また、心の悩みは人間関係から生まれてきます。集団で山登りをしますが、黙々と登っていただいてもかまいません。自然の中に身をおくことで、これまでと違った見方が生まれたらと思っています。