不登校でも高校受験に合格できる!自宅でできる3つの最新型学習法

不登校でも高校受験に合格してきた生徒を中学校教師として多く見てきました。結論としては「家庭学習でも高校受験の対策は十分にできる」ということです。

確かに授業に出ない分、試行錯誤をしながら勉強をしなければいけません。しかし自宅での学習をしっかりと展開することによって諦め掛けていた高校への進学も夢ではないのです。

従来、不登校の生徒の学習方法としては「家庭教師」や「通信学習」などがメジャーではありましたし、現在でもそれらの手法は不登校生徒の学習を支援してくれています。

ただ近年では電子機器を利用して自宅で勉強するという手段が効果的に不登校生徒の学習を支援してくれる手法となりました。

今回は電子機器を利用した自宅でできる学習方法について詳しく見ていきましょう。

不登校の生徒の高校受験に向けた対策1:ビデオ講義

パソコンなどの画面で講師が授業をしている映像を見ながら勉強をするのが「ビデオ講義」です。

具体的には、

  • スタディサプリ中学講座
  • アオイゼミ
  • 秀英iD予備校 自宅学習コース

などのサービスが有名です。

ビデオ講義のメリットとしては、

  • 黒板などを使用して講義を受けるため授業を受けている感覚で勉強できる
  • 映像なので理解できなかった部分を何度でも見返すことができる
  • 多くの場合、付属としてテキストが付いているためそれを使って勉強できる

などが挙げられます。

一方でデメリットとしては、

  • 映像なので分からないところは自分で解決するしかない
  • 授業が苦手な生徒に対しては退屈に感じる可能性がある

などの点が挙げられます。

そのため「授業を受けているような感覚で勉強をするのが得意だ」「テキストと解説を見聞きしながら自分で勉強を進めたい」という人に合っている勉強法です。

私が見てきた不登校生徒の中にもビデオ講義で勉強をして、高校受験に合格できる学力を身につけた人がいました。分からない問題を自分なりに解説を聞いて理解していくことができる好奇心を持つ人であれば高い学習成果を出すことができるはずです。

不登校の生徒の高校受験に向けた対策2:アプリ学習

スマホのアプリなどを利用してクイズ形式の問題を解くのが「アプリ学習」です。

具体的には、

  • 英単語アプリ mikan
  • マナビミライ
  • 数学クイズ なん度?
  • 古文・漢文(古文単語、古典文法、漢文)

など本当に多くのアプリがリリースされています。

アプリ学習のメリットとしては、

  • クイズ形式なので楽しく勉強できる
  • 暗記系の勉強を効率よく行うことができる
  • ゲーム感覚でできるので勉強が苦手でも継続してできる
  • 無料の学習アプリがたくさんある

などの点を挙げることができます。

一方デメリットとしては、

  • 暗記系の勉強以外はできないアプリが多い
  • 選択クイズが多いため本当に理解できているのか分かりづらい

などの点を挙げることができます。

不登校生徒の多くは勉強に対して苦手意識を持っているはずです。そのような人が気軽に始めることができるのがアプリ学習。

ポップな映像やキャラクターとともにクイズを解いていく感覚で英単語や漢字の読み方、古典の単語の意味や数学の問題などに挑戦することができるため「気づかないうちに学力が付いていた」という理想的な勉強をすることができるのです。

ただしアプリ学習はどうしても「暗記系」の学習に偏りがち。これだけでは高校受験対策を行うことはできません。「暗記系の勉強はアプリで、文章問題などの対策は他の学習方法でする」といった使い分けをすることでアプリ学習の効果を最大限発揮することができます。

不登校の生徒の高校受験に向けた対策3:オンライン学習

パソコン上で教材を使って勉強をしつつ分からないところはサポーターに質問をしながら学習を進めるのがオンライン学習です。

具体的には、

  • すらら
  • ゆめのば
  • アオイゼミ サクラス

など様々な「ネット塾」「オンライン塾」と呼ばれるサービスが存在します。

こちらのオンライン学習を行うメリットとしては、

  • 分からないところを講師に質問することができる
  • パソコンで学習することができるためノートなどに書かなくても良い
  • 多くの場合、問題解説などが丁寧にされていることが多い
  • アニメーションなどを使って楽しくレッスンが行われることが多い

などといった点が挙げられます。

そしてデメリットというデメリットは特にありません。強いて言えばサポーターが付く分、料金が他の2つよりも高額になる可能性があるという点です。しかしそれも家庭教師などと比べると断然リーズナブルです。

私が不登校生徒に自宅学習のアドバイスをする際には、「オンライン学習」を1番に押していました。理由としてはやはり分からないところをすぐに質問することができるというところです。

授業に出ている場合にはすぐに質問をすることができますが、不登校生徒の学習の場合にはその点がネックとなっていました。自宅でできる勉強かつ質問もすぐできるというのが不登校生徒にとっては最も安心できる学習環境なのです。

不登校の生徒に必要な周囲の支援は?

1番は「高校受験や勉強を無理強いしたり焦らせない」ということです。多くの親御様を見てきた中でそれが最も難しいことのようでした。

心配する気持ちが強ければ強いほど「勉強は?」「高校受験は?」と聞いてしまいます。しかし将来に対して最も不安を抱えているのは不登校生徒なのです。

無理強いをせずに今回ご紹介してきたような学習方法をそれとなく提案してあげて、興味を持てば背中を押してあげるというのが適切な支援です。

まとめ

高校受験・大学受験に失敗して自殺をする生徒というのが年々増えてきています。それも全て「大学に行くのが普通」「高校には行かなければならない」とプレッシャーを掛けてしまっていることが原因なのです。

「勉強はできるに越したことはないが、1番は生きていること」と割り切れば不登校であることも受け入れることができるはずです。

そして不登校の状態から「勉強をしよう」と一歩踏み出すハードルが、今回ご紹介した電子機器による学習方法によってかなり下がるはず。「高校に行きたい」とメッセージを出したときに提案してあげてほしい学習方法でした。

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投稿者プロフィール

hiraku
4年間、中学校の教員として勤務。その間、不登校生徒の進路指導・学習支援を担任として行ってきました。
経験を生かし、不登校の方の将来が拓けるようなアドバイスをしたいと考えています。

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不登校であったり、休みがちで、なかなか出かける機会がない、きっかけやタイミングがない、という小中高生のための山登りプロジェクトです。学校という機会がないと、なかなか運動する機会がないのが実情だと思います。運動する機会を作ることで、生活習慣を整えたり、気力が生まれるきっかけとなったらと思っています。また、心の悩みは人間関係から生まれてきます。集団で山登りをしますが、黙々と登っていただいてもかまいません。自然の中に身をおくことで、これまでと違った見方が生まれたらと思っています。