小学生で不登校になったら?無理なく学力をつける方法

文部科学省の調査によると、不登校の小学生は35,032人です。これは185人に1人の割合なので、31人に1人という中学校の不登校に比べると比較的少ない数です。

近所に不登校の小学生は少ないため、保護者の方の不安や焦りも大きくなることでしょう。
しかし、学校でなければ子どもの才能を引きだせないわけではありません。今はタブレットなどを使い、ゲーム感覚で学力を身につけられる教材もあります。

今回は、小学生が不登校になる理由、不登校になった場合の対処方法、家で学力を身につける方法などをご紹介します。

小学校への登校は子どもにとってストレスフル

子どもにとって、小学校は未知の世界です。

なにもかも初めてづくしの小学校に通うのは、子どもにとって多かれ少なかれストレスになります。環境の激変についていけず、「学校の全部が嫌だ」といって不登校になる小学生もいます。

小学生と中学生以上の不登校では多少理由が異なるので、小学生が不登校になる理由を5つあげてみます。

小学生が不登校になる理由①母親と会えない

小学校低学年の場合、長いこと母親に会えないことに対する不安「母子分離不安」が原因で不登校になる子どももいます。

幼い子どもは1人では生きていけません。そのため多かれ少なかれ母子分離不安を抱いていますが、子どもが親子関係に不安を感じている場合、母親と離れる不安が強くなります。

なお、不登校の本当の理由が母子分離不安であっても、子どもによっては「お腹が痛い」など別の理由をつけて学校に行かないこともあるので注意が必要です。

小学生が不登校になる理由②ルールが厳しくなる

中学校ほどではありませんが、小学校も幼稚園にくらべればルールが厳しくなります。

1日何時間もじっと座って授業をうけるのは、じっとしているのが難しいADHDの子どもでなくても難しいことです。

授業以外でも、あらゆる場面で集団行動を強いられます。自分のペースを乱され続けることに対して、苛立ちを募らせる子どももいます。

小学生が不登校になる理由③授業についていけない

小学校からは、本格的に授業が始まります。それまで通っていた幼稚園のように、遊んでいればよいわけではありません。

しかも通常は一斉授業なので、子どもの理解度ではなく、カリキュラムに合わせて進められます。勉強についていけない子どもにとって、授業を受けるのは苦痛でしょう。

苦手な教科でも、授業を受けて勉強する必要があります。逆に得意な教科を続けたいと思っても、授業が終われば別の教科を勉強しなくてはなりません。

小学生が不登校になる理由④クラスになじめない

クラス制度を負担に感じる子どもは少なくありません。

あまり社交性がない子どもの場合、クラスに気の合う友だちがいないと登校するのが苦痛になります。

また、クラスで孤立しないよう神経を尖らせ続けることに、疲れはてる子どももでてきます。

小学生が不登校になる理由⑤中間反抗期が始まる

反抗期といえば、2~3歳ごろの第1次反抗期と、思春期の第2次反抗期が有名です。しかし、その間に「中間反抗期」と呼ばれる反抗期があります。

中間反抗期は、小学校2年生~3年生ごろに始まります。「なにかと口ごたえする」「世話を拒む」など、保護者に反発するようになります。

反抗期は自我を確立するために必要なものですが、保護者への反抗の一環として不登校になる可能性もあります。

無理に小学校へ行かせるのは危険!

小学校では「基礎的な読み書き」「四則の計算」など、社会にでたあとも活用する知識を多く学びます。

そのため、不登校の小学生をもつ保護者が子どもの将来を不安視するのも、無理はありません。しかし、無理に登校させるのは危険です。

居心地の悪さから1人で学校を飛びだしてしまう可能性がありますし、命を絶ってしまう危険性もあります。

小学生が不登校になった場合の対応方法とは?

「詰め込み勉強をさせない」というユニークな教育方法で子どもの学力を伸ばしてきた石田勝紀氏は、次のように述べています。

「うまくいかない方法を継続する理由はない。無理に学校に行かせたり、勉強させようとしてうまくいかないなら、子どもの好きにさせたらいい。子どもは最初こそ好き放題するが、飽きて別の行動をとるようになる」

石田氏は「子どもに無理強いしないことで劇的に改善した例は、枚挙にいとまがない」とも語っています。

不登校の子どもの好きなことを応援するのが鍵

石田氏は「子どもの好きなことが突破口になる」と指摘しています。

たとえば「サッカーが好きなら、サッカーの雑誌をあげてサッカーの試合を見に行く」、「ファッションが好きなら、ファッション雑誌をあげてファッションショーを見に行く」という感じです。

子どもは好きなことを知るために、自然と文字を勉強するようになります。プロサッカーチームやラグジュアリーブランドを調べるうちに、世界の地理や外国語を学び始めるかもしれません。

子どもの好きなことに多く触れさせることで、自発的に学ぶ対象が広がっていきます。無理強いされて抱くようになった勉強に対する嫌悪感も、自然と払拭されていきます。

まとめ

小学校の子どもが不登校になると、先が長いだけに将来を案じてしまうことでしょう。

しかし、子どもの好きなことを応援して興味のある分野を広げ、楽しく学べるツールを提供することで、楽しみながら学力を身につけられます。

子どもの自発的に学ぶ気持ちを育てるために、子どもの好きなことを応援していただければと思います。

子どもの好きなことを応援することで、子どもは文字などを自然と学び始めます。

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投稿者プロフィール

708rs
小中学校で12年間教師を勤め、自分自身も子育て真っ最中の二児の母。不登校や登校しぶり、発達障害などさまざまな支援が必要な子どもの担任経験あり。

引きこもり系運動のすすめ:山登りプロジェクト

不登校であったり、休みがちで、なかなか出かける機会がない、きっかけやタイミングがない、という小中高生のための山登りプロジェクトです。学校という機会がないと、なかなか運動する機会がないのが実情だと思います。運動する機会を作ることで、生活習慣を整えたり、気力が生まれるきっかけとなったらと思っています。また、心の悩みは人間関係から生まれてきます。集団で山登りをしますが、黙々と登っていただいてもかまいません。自然の中に身をおくことで、これまでと違った見方が生まれたらと思っています。

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