学校の勉強はどうする?不登校の子が学力を身につける方法
子供が不登校になってしまった場合、どうやって学力をつけたらいいのか悩む保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
学力は、学校に通うことでしか身につけられないものではありません。不登校の子供の状態に合わせて、様々な方法で学ぶことができます。学力がつくことで自信もつきますし、興味のある分野が出てきて、進学意欲がわく可能性も出てくるでしょう。
そこで今回は、不登校の子供が学力を身につける方法について紹介します。今は色々な方法で学びを得ることができるので、お子様にあった方法がないかどうか、検討してみてください。
勉強が嫌いでないなら教育支援センターを検討!
子供によっては勉強することが嫌なのではなく、学校制度に馴染めずに不登校になっている場合もあります。何が嫌で不登校になっているかは、子供によって様々です。
仲良くすることを強制されるクラス制度を、窒息しそうなほど息苦しく感じているかもしれません。または、制服に象徴されるような「全員同じでなければならない」という無言の圧力に、耐えかねているのかもしれません。
こうした勉強以外が原因で不登校になっている場合は、「教育支援センター(適応指導教室)」を検討してみてください。教育支援センター等では、不登校の小学生~高校生まで幅広い年齢の子供を受け入れています。
主に市町村が設置しており、現在は約6割の自治体に設置されています。子供たちに対応する職員は、退職した元教員や臨床心理士などです。
教育支援センター等は、「費用がほぼ無料」「出席扱いになりやすい」というメリットがあります。市町村などの自治体が運営しているという点も、メリットと言えるでしょう。
教育支援センター(適応指導教室)の全国の設置状況、月々の費用、出席扱いになる割合などについての資料
より自由な教育を求めるならフリースクール!
教育支援センター(適応指導教室)には、様々なメリットがあります。しかし、退職した元教員が教育にあたることもあり、「学校制度の焼き直し」という感想を抱く子供もいます。
教育支援センター等が合わない場合は、「フリースクール」を検討してみることをオススメします。フリースクールは様々な子供を受け入れており、より子供の希望に沿ったカリキュラムを組めます。
不登校に理解のある人が教育に携わっていることも、フリースクールの魅力でしょう。たとえば、フリースクールを運営している「NPO法人D.Live」の代表である田中洋輔氏は、不登校経験者です。
D.Liveでは、成功体験を積み重ねて子供に自信を持たせることを重視しています。たとえば「毎日1分勉強する」といった目標を立てた子をバカにせず尊重したところ、翌週はさらに長く勉強するようになりました。
こうした例のように不登校に理解のあるフリースクールは、子供に合わせて柔軟に対応しつつ、子供の能力を引き出していけるというメリットがあります。
フリースクールも適切な指導が行われていると認められる場合、校長の裁量で出席扱いになります。
ホームスクーリングなら家から出られなくても大丈夫!
社会で生きていくために必要な協調性を身につけるためには、人と関わる必要があります。しかし、限界まで我慢した末に不登校になるケースも多いため、最初は家から出られない子供もいるでしょう。
そんなときは、「ホームスクーリング」を検討してみてください。アメリカでは、ハリウッドスターやセレブ、家の近所に通いたい学校がない子供などが行っている学習方法です。日本でも、「小さな哲学者」と称される中島芭旺君がこの方法で学んでおり、話題になっています。
親や家庭教師が教育にあたる場合もありますが、インターネットを用いて自宅学習するのが一般的です。
不登校児童の増加を受け、文部科学省は「IT等を活用した適切な学習活動があること」「対面での面談が行われていること」という条件を満たした場合、ホームスクーリングでも校長の裁量で出席扱いできるとしました。
インターネット学習は経費がそれほどかからないため、安価なのもメリットでしょう。たとえば「IT塾のホームスクール」では、1教科2000円~3000円程度で教えています。
自習も対面学習も可能なら学習塾も要検討!
不登校児童が、「家からは出られるけど、教育支援センターにもフリースクールにも行きたくない」と言うのであれば、自宅近くの「学習塾」も検討してみてください。
ホームスクーリングとは違い、塾には教師がいるため、わからない点をすぐ教えてもらえます。また、不登校児童の習得レベルに合わせた学習支援をしてもらえます。
マンガやゲームの無い塾のフリースペースで勉強すれば、自宅よりも勉強がはかどるでしょう。
ただ、あまり自宅から近い学習塾だと、学校のクラスメートに出会って気まずい思いをする可能性があります。ですから子供の状態によっては、塾に行く時間をずらしたり、校区の違う塾に通わせるといった対応をする必要があるでしょう。
なお、「NPO法人 志塾フリースクール」のように、学習塾とフリースクールが一体になっているところもあります。
山村留学できっかけを作ってもらうのもオススメ!
親や地元を離れて、過疎の進む山村や離島に留学する「山村留学」も選択肢の一つです。不登校児童が、都会の騒々しい喧騒や環境汚染、ギスギスした人間関係といったものに疲弊していた場合、おおらかな山村に留学することで立ち直る可能性があります。
実際、全国各地から不登校児童を受け入れている「久高島留学センター」では、その9割以上が回復していると言われています。
山村や離島では、コンビニやスーパーも近くにはなく、テレビゲームもありません。ですから、子供たちは自然と山登りをしたり海で遊んだりするようになります。また、地元で作った新鮮な食べものを食べ、空気の綺麗な環境で過ごすことで、より健康になることも期待できます。
こうしたことに加え、地域の人々から温かな励ましを得られることも大きいでしょう。山村や離島では、今でも他人の子も自分の子のように気にかける文化が残っています。
年齢的・経済的な課題はありますが、色々な方法を試しても上手くいかないと言う場合は、検討してみてください。
まとめ
様々な受け入れ場所で学ぶことで、不登校児童でも社会に出るために必要な知識を得られます。それと同時に、「居場所ができる」というのも大きなメリットと言えるでしょう。
一人で部屋にこもっていると、投げやりになったりネガティブ思考になったりとマイナスの方向に傾きがちですから、居場所作りは大切です。
子供が不登校になると不安になることと思いますが、学校に通ったからといって幸せになれる保証はありません。
テレビ出演もしている有名ブロガーのイケダハヤト氏は、「自分の子供は学校に通わせなくていいと思っている。学校はサラリーマン養成所だが、これからは言われたことだけやっていてもダメだから」と語っています。
ですから、ぜひ子供が安心して学びながら自信を育み、社会に羽ばたけるような教育機関を探していただければと思います。
投稿者プロフィール
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中学時代、いじめに遭うのを防ぐため必要以上に気を遣い、窒息しそうな毎日を送る。
普通高校に進学するも、我慢の限界がきて2年生のときNHK学園に転校。高校卒業後は私立大学に進学。
大学卒業後、図書司書や塾講師などを経験するなかで、子供を勉強嫌いにする日本の教育に改めて疑問を持つようになる。
現在、フィンランド教育やシュタイナー教育、七田式教育など、子供の才能を伸ばす教育を調べている。
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