中学生で不登校になる5つの原因!義務教育は子供のためじゃない?

「学校行きたくない!」中学生の子供がそう言って、学校に行かなくなったら。いったい高校進学できるのだろうか?大学進学は?就職は?と子供の将来が心配になりますよね。

不登校は中学生から急増すると言われています。そこで今回は、中学生で不登校が増える原因について検討しました。中学生で不登校になったお子様の保護者や関係者の方は、ぜひご覧ください。

そもそも不登校ってどんな状態?不登校の定義

そもそも、どういう子供が不登校とされるのでしょうか?実は、統一された定義はありません。

ただ文部科学省は、不登校を「何らかの心理的,情緒的,身体的,あるいは社会的要因・背景により,児童生徒が登校しないあるいはしたくてもできない状況にあること(ただし,病気や経済的な理由によるものを除く)」と定義しており、その状況にあるため「年間30日以上欠席した児童生徒」を不登校児童生徒としています。

つまり一般的に、「病気や経済的な理由以外で1年に30日以上欠席した児童生徒」が不登校の子供と定義されます。

これまでの不登校への対応等について

不登校の現状に関する認識

中学生の不登校って増えてるの?減ってるの?

中学生の不登校は、不登校の統計を取り始めた平成10年以降、毎年10万人前後で推移しています。平成13年をピークに減少傾向が見られましたが、平成24年を底に再び増えてきています。

平成28年の不登校の中学生は103,247人で、1,000人あたり30.1人です。1,000人あたりの不登校は、不登校の統計を取り始めた平成10年以降で過去最多となりました。

現在、中学生の約33人に1人が不登校になります。これは1クラスに1人ということになりますから、決して珍しいことではありません。

平成28年度「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」

そうだったのか!中学生で不登校が増える5つの原因

小学生までは問題なく学校に行けていた生徒が、中学生になると急に不登校になるケースが多々あります。これは「中1ギャップ」とよばれ、大きな問題になっています。なぜ、中学生で不登校になるケースが多いのでしょうか?その理由を5つあげてみます。

中学生で不登校が増える原因①制服着用や髪型制限など規則が厳しくなる

小学生から制服着用の場合もありますが、多くは中学生から制服を着用することになります。また、髪型や靴などの校則も厳しくなります。身につける物を自由に選べないのに加え、身だしなみにも気を遣わなくてはならなくなるため、窮屈な思いをする場面が増えます。

中学生で不登校が増える原因②部活動などで先輩後輩の上下関係が生じる

小学生のグランドでは、学年にこだわらず仲良く遊ぶ光景が見られます。しかし、中学校になると部活動が本格化することもあり、先輩後輩の上下関係が出てきます。上下関係に厳しい校風の場合、身の処し方に苦慮して気疲れするでしょう。

中学生で不登校が増える原因③授業内容が難しくなる

中学校から授業内容が格段に難しくなるのに加え、英語も教科の仲間入りをします。そのため、小学生のときは好成績でも中学生になってからは伸び悩んだ、という話も耳にします。学校の授業に追いつくため、部活動でくたくたになった後も塾にかようといった場合、どうしても疲労がたまりがちです。

中学生で不登校が増える原因④定期テストで明確にランクづけされる

小学校では、1学期に小テストが何回もあります。しかし、中学校では1学期に2回の定期テストで成績を決める学校がほとんどです。学年で何位か通知され、さらにそれを両親にも知られるというのは、個人差はあれど子供にとって気が重い話です。

中学生で不登校が増える原因⑤高校受験へと追い立てられる

中学受験を経験する子供もいますが、特に受験せず家に近い中学校にかよう場合も多いでしょう。高校受験が初受験という場合、未知の体験であるため、必要以上に気を揉む子も出てきます。

えっ!?無理に登校させるのは危険?

他にも理由は考えられますが、上記の理由から中学校は不登校になる子が増えます。不登校になってしまった場合、どうすれば良いのでしょうか?

まず考えられるのは、学校に行くよう説得することです。たしかに叱咤激励したら登校するようになった、というケースも中にはあるかもしれません。しかし、現在の不登校の多さを考えると、それは効果的な方法とは言えないでしょう。不登校児童は、多かれ少なかれ登校するよう説得されているはずだからです。

不登校児童に無理に登校するよう迫って、高校受験の日に自殺してしまった例もあります。大人にとっては大したことではないことも、未熟な子供にとっては生死を左右する大問題に感じることもあるため注意が必要です。

義務教育は子供のためじゃない?不登校児童が出る理由

不登校になると、たいていの親や教師といった不登校児童の関係者は登校させようとします。それでも登校しないと、不登校児童を身勝手だと責めたりします。

しかし、たいていの不登校児童は親や教師を困らせてやろうと思って登校しないわけではないのです。不登校になれば親が悩むのは不登校児童も理解していますし、基本的に子供は親を悲しませたくないものです。

それなのに、なぜ不登校になる子が出てきてしまうのでしょうか?それは、「義務教育は国家にとって理想的な国民を育成するために生まれたシステム」だからだと考えられます。

渡部竜也教授は、産業革命や国民皆兵制度における義務教育を調査した結果、「義務教育は、いずれも、国家の都合から生まれたと言えるでしょう。国家から見て理想的な国家社会の構成員の育成を図ろうとした結果、義務教育が生まれ、国家によって運営されているとも見ることができます」と述べています。

もともと子供の才能や特性を伸ばすために生まれた制度ではないため、「成立当初から学校教育の存在は、子ども側の必要との間に「齟齬」を引き起こしてしまう危険性がある」と渡部教授は指摘しています。

たしかに、様々な知識があれば多角的な視点を持てるというメリットがあります。しかし、中学生の33人に1人が不登校になる現状を考えると、もっと子供の才能や特性を伸ばす教育カリキュラムを検討する必要があると言えるでしょう。

まとめ

中学生の子供が不登校になったら、将来を不安に思ってしまうのも無理はありません。

しかし、現在はフリースクールや通信高校に加え通信大学もあるため、不登校児童でも学べる環境が整ってきています。無理に登校させる危険性を考えると、場合によっては登校以外の選択肢を検討したほうが良いでしょう。

不登校の子供が訴える学校の嫌なところ、やりたいことに耳を傾け、なるべく希望を叶えられる居場所を探してあげることが事態を好転させる鍵になると思います。

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投稿者プロフィール

ryokuha
中学時代、いじめに遭うのを防ぐため必要以上に気を遣い、窒息しそうな毎日を送る。
普通高校に進学するも、我慢の限界がきて2年生のときNHK学園に転校。高校卒業後は私立大学に進学。
大学卒業後、図書司書や塾講師などを経験するなかで、子供を勉強嫌いにする日本の教育に改めて疑問を持つようになる。
現在、フィンランド教育やシュタイナー教育、七田式教育など、子供の才能を伸ばす教育を調べている。

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不登校であったり、休みがちで、なかなか出かける機会がない、きっかけやタイミングがない、という小中高生のための山登りプロジェクトです。学校という機会がないと、なかなか運動する機会がないのが実情だと思います。運動する機会を作ることで、生活習慣を整えたり、気力が生まれるきっかけとなったらと思っています。また、心の悩みは人間関係から生まれてきます。集団で山登りをしますが、黙々と登っていただいてもかまいません。自然の中に身をおくことで、これまでと違った見方が生まれたらと思っています。

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